受託開発

イノベーションが目的なの?

俺が作ったものを(よのなかの)みんながつかうからこそ楽しいんだ、っていうのを、あんまり適切じゃない単語で表現してるだけだとおもう。よく知ってるわけじゃないけど、製造業の現場で納期が半分にできたらそれはイノベーションで、それをやったのがインクスだと本で読んだ(認識が間違ってるかもだけど)。

いままでになかったサービスつくってみんな使うようになったりするのだけがイノベーションじゃないよ。


最後のところ、自分がわりと最近までそういう幻想を見ていたので響いた。

あー、あとさ、単一のソリューションで広く遍く系の話も古臭いよね。いつまでマスプロダクション時代の幻想を見てるんだろ。マスカスタマイゼーションやパーソナライゼーションの行き着く先は超高速なオーダーメイドになるしかないじゃん。そういう想像力もない輩がイノベーション語るってのもどうかと思われ。え? そんなの無理だって? それを実現するのが「イノベーション」じゃないの?

このごろは誰もが必要とするものが(まだ)ない時代は終わったと思ってる。違う立場の人が似ていることを書いているのがうれしい。

「最速インターフェースの研究と実践」メモ - 最速チュパカブラ研究会のmalaさんの

10%の人に100%マッチする製品がたくさんでてくると、100%の人に50%マッチする製品は生き延びる余地がなくなる。

の部分も、もうみんな50%の製品を手にしているから、そのうえになにか作るなら100%マッチする製品を10%のひとのためだけに作るしかない、というふうに読めるなと思った。

ウェブのサービス業界が特別だったりするところもあるけど、なにからなにまで全部が特別だったりするわけでもなく、そういうところでは製造業とかのたどってきた道を観察したりすると、あれなんかおなじじゃん、みたいなところがある。

絶対必要みたいなもの(メールとかメッセンジャーとかブログとか写真とかビデオとか)はもうみんな持ってるし今以上のものは求めてないから(今以上のアイロンがほしいとか思わないのと同じように)、なんかこれいいよね、えーそうかな....みたいなニッチなところを積み上げていく必要があって(GEの冷蔵庫かっこいい、みたいな)、SIはひとり(一社)しかいないユーザに100%フィットするものを作ってて、金型工場も一社の要望に0.1mm以下の誤差で100%フィットするものを作ってて、ウェブのサービスも1人ではないけど10%のひとに100%フィットするようなものにシフトし始めてて。その昔、作れば売れる時代は終わった、とかいうフレーズがあって、多様化する社会に対応するには、とかいう文脈の中で多品種少量生産みたいなはなしもあった。それがインターネットにもやってきて必要なものは全部揃って、あとはまあ嗜好に応じてほしいこともあるかもね、という状態になった結果、これからするべき努力の方向はSI(とか金型メーカー)と似たようなものじゃないの、10%のひとに100%フィットする製品がいきわたったらこんどはそれが5%に1%になって、最後にはPonokoみたいに勝手にすきなもの作れば?みたいになったりする、のをまだ認めたくないひとたちがいて、でもまだもうちょっと認めないでいることもできるのかなと思う。


製造業が50年とかかけて通ってきた道を10年くらいでおさらいしたわけだから、ひとりのために100%フィットするものを作るようになるのもそんなに先の話じゃなかったりするかもよ、というのはもう新聞のようにてきとうな言葉遊びだけど。

追記

朝起きて、やっぱりSIがひとつひとつつくるのと、100%に50%のものがっていうところは直接繋がらない気がしてきた。